私の家の本棚には嫁が大ファンである村上春樹氏や、その他もろもろの本の他に、アメリカの作家、ジャック・ケッチャムの『隣の家の少女』『オフシーズン』そして『老人と犬』の単行本が並べられています。

 

私、このケッチャムにハマってた時期がありまして。知る人ぞ知る、アメリカの最狂ホラー作家としてカルト的な人気を誇る人、でございます。

 

 

隣の家の少女 (扶桑社ミステリー)

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  • 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
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オフシーズン (扶桑社ミステリー)

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  • 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
  • 出版社/メーカー: 扶桑社
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老人と犬 (扶桑社ミステリー)

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  • 作者: ジャックケッチャム,Jack Ketchum,金子浩
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さて、私には現在8歳になる娘がおりまして。この子が物心つく頃には残虐描写てんこ盛りなケッチャムの本を目につかないところに置いておかないとさすがにマズイなぁ、などと思っています。間違って読んでしまったら、こりゃあ思春期の女の子が読むにはあまりに刺激が強すぎるからなぁ。

 

でも考えてみれば、巷には所謂”有害”といわれる書籍や映像があふれているのも事実。ネットだって、ちょっと検索すればその手の画像・映像が簡単に観れてしまう。そんな時代にいかに子供から、その手の情報を触れさせないようにできるのか?…実際問題、そんなことは不可能に思えるのです。

 

…それに一概にそうした”ヤバい”情報をシャットアウトしててもいいものか?とも思います。まるで無菌室で育てるように、健全なものだけしか知らない、そんなんで果たしていいのか?魑魅魍魎が跋扈する現実社会で生き抜くために、あえて清濁併せ呑む、世界の影の部分も知ってた方がいいんじゃなかろうか?

 

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日本が誇るヒップホップユニット・ライムスターのメンバーにしてラジオ・パーソナリティ、宇多丸氏の番組”ウィークエンド・シャッフル”で放送された中から傑作をピックアップし、活字化したトンデモなく分厚い本を読んでます。

 

ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル “神回”傑作選 Vol.1

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  • 作者: TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」
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 その中でライター・高橋ヨシキ氏と映画における残虐・野蛮表現が排除に向かってる現状について語ってる特集があるんです。名付けて『牙を抜かれた映画界に送る「映画が残酷・野蛮でなにが悪い」』

 

 

高橋 「要は幼稚園児の世界みたいなもので。幼稚園児っていうのは幼稚園と家とを往復していて、ある程度の家だったら、お母さんや家がその世界を守ってくれてる。…横の道でヤー公が誰かブッ刺してたとかには関係ない世界なんですね。

 

ところが俺たちは大人なのにもかかわらず、そうゆうヤバいものが目に触れないようにって気遣いを勝手にしてくれる、幼稚園の先公みたいな誰かがどこかにいるんですよ。何それ?って思いますね。

 

俺たちは大人なんだから、ヤクザが何かやってたら野次馬的に見たいじゃないですか。どうなの?って。それをなんで自由にさせてくれないのかなっていう話ですよね」 

 

ちなみに対談の中で宇多丸・高橋氏共々”ゾーイング(年齢により購入や閲覧が不可となる商品やサービスを定めること)”は必要だと言ってるのですが、大人向けのコンテンツにおいて残酷・野蛮表現に対する過剰なまでの規制が行われるのはおかしい、という立場で話してます。私もこの意見には大いに頷くところでありますけども。

 

 

マンガはなぜ規制されるのか - 「有害」をめぐる半世紀の攻防 (平凡社新書)

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誰のためのメディアか―法的規制と表現の自由を考える (メディア総研ブックレット)

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そもそもストーリーを語る創作物を観たい・読みたいって気持ちの中には大なり小なり野次馬根性や覗き的趣向が含まれてますよ。人様の生き様の一部分を安全地帯で覗いてみたいんですよ。それがもっとゲスい方向に振り切れると”残酷・野蛮”に行きつく、と。それは人間のどうにも止められない基本欲求なんですよ。

 

じゃあ、そうした”不適切””不謹慎”な表現を有無を言わせず排除する方向に向かったどうなるか?結局、麻薬みたいに非合法な地下の世界に潜り込むだけで、決して世の中からなくなることはないでしょう。

 

宇多丸 「悪い場所ってあるわけだし、必要っていうかさ。なのにそこを排除するというか、少なくとも自分の目に触れないところに隠してしまうと。でもそれって実はもっと危ないことになりかねないっていうことでもあるし…」

 

高橋 「白黒つけられないものは多いし、そっちが当たり前ですけど、白黒つけたい人、つまり自分が白い側に立ってると思ってる人は、いくらでも残酷になれますから」

 

宇多丸 「自分が残酷で野蛮なところ、汚いところがないと最初から思い込んでいるような人は」

 

高橋 「いちばん凶悪ですね。そうゆう人は誰でも殺しちゃいますもん」

 

宇多丸 「悪いと思ってないですからね」

 

高橋 「正義だと思ってますよ」

 

 

自分自身のダークで歪な部分を認めることが、ひいては多種多様な人々への寛容さに繋がると私も思いますね。…まぁ年端もいかないうちの娘にそうしたことを教えるのはまだ早いかも、ですけど、無菌室で育てて、キレイごとしか知らないような人間にはなってほしくないんですよね。

 

 

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 ↑結構残酷描写多めの宮崎駿監督アニメ。ぜったい監督も確信犯的にそうしたキツい表現を入れてる、と思う。